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2-1. 演算子(四則演算、比較演算、論理演算)

02.初心者向け MQL5 学習プラン

演算子(四則演算、比較演算、論理演算)

MQL5では、演算子を使って数値の計算や条件判定、論理的な処理を行います。演算子は、プログラム内でデータを操作するための基本的な要素であり、非常に重要な役割を果たします。MQL5には、主に四則演算子比較演算子論理演算子という3種類の演算子があり、これらをうまく組み合わせて複雑な処理を実現できます。ここでは、それぞれの演算子について、使用方法や例を交えて解説していきます。

四則演算子

四則演算子は、数値に対して基本的な算術演算を行うために使用されます。プログラム内で数値の加算、減算、乗算、除算を行う際に必要不可欠な演算子です。MQL5における四則演算子は次の通りです:

  • +(加算):2つの数値を加算します。
  • -(減算):1つの数値から別の数値を引きます。
  • *(乗算):2つの数値を掛け合わせます。
  • /(除算):1つの数値を別の数値で割ります。

使用例:

int iA = 10;
int iB = 5;
int iSum = iA + iB;     // 10 + 5 = 15
int iDiff = iA - iB;    // 10 - 5 = 5
int iProd = iA * iB;    // 10 * 5 = 50
int iQuotient = iA / iB; // 10 / 5 = 2

このように、四則演算子を使って基本的な算術計算を行うことができます。演算の優先順位を明確にするために括弧(())を使用することもできます。

優先順位

四則演算子には優先順位があり、掛け算(*)や割り算(/)は加算(+)や減算(-)よりも先に実行されます。例えば、3 + 4 * 2という式は、まず掛け算が行われ、結果は3 + 8 = 11となります。

比較演算子

比較演算子は、2つの値を比較し、それが成立するかどうかを判断するために使用されます。これらは主に条件分岐に利用されます。MQL5では以下の比較演算子が使用されます:

  • ==(等しい):2つの値が等しいかどうかを比較します。
  • !=(等しくない):2つの値が異なるかどうかを比較します。
  • >(より大きい):左側の値が右側の値より大きいかどうかを比較します。
  • <(より小さい):左側の値が右側の値より小さいかどうかを比較します。
  • >=(以上):左側の値が右側の値以上かどうかを比較します。
  • <=(以下):左側の値が右側の値以下かどうかを比較します。

使用例:

int iA = 10;
int iB = 5;

if (iA == iB) {
    Print("iAはiBと等しい");
} else {
    Print("iAはiBと等しくない");
}

if (iA > iB) {
    Print("iAはiBより大きい");
}

if (iA <= iB) {
    Print("iAはiB以下");
}

ここでは、ifを使用してiAiBの比較を行っています。比較演算子を使うことで、条件に基づいた処理が可能となり、プログラム内での柔軟な制御ができます。

論理演算子

論理演算子は、2つ以上の条件を組み合わせて論理的な判断を行う際に使用されます。複数の条件式を組み合わせて、より複雑な判定を行うための重要な演算子です。MQL5には以下の論理演算子が存在します:

  • &&(論理積、AND):両方の条件がtrueの場合にのみtrueを返します。
  • ||(論理和、OR):いずれかの条件がtrueの場合にtrueを返します。
  • !(論理否定、NOT):条件がtrueの場合にfalseを返し、falseの場合にtrueを返します。

使用例:

int iA = 10;
int iB = 5;
bool bCondition1 = iA > 3;
bool bCondition2 = iB < 8;

if (bCondition1 && bCondition2) {
    Print("両方の条件が成立");
}

if (bCondition1 || bCondition2) {
    Print("いずれかの条件が成立");
}

if (!bCondition1) {
    Print("条件1は成立しません");
}

ここでは、&&||!を使用して、複数の条件を組み合わせています。論理演算子を使うことで、1つのifで複数の条件をチェックすることが可能になります。

インクリメント演算子とデクリメント演算子

MQL5では、変数を1つずつ増減させるためのインクリメント演算子++)とデクリメント演算子--)があります。これらは、変数の値を1だけ増やしたり減らしたりする際に使用します。

  • ++(インクリメント):変数の値を1増やす。
  • –(デクリメント):変数の値を1減らす。

使用例:

int iA = 5;
iA++; // インクリメント演算子(iAは6になる)
iA--; // デクリメント演算子(iAは5になる)

インクリメント演算子やデクリメント演算子は、ループやカウンタの管理などでよく使用されます。

まとめ

MQL5における演算子は、基本的な計算や条件判定、複雑な論理式を構築するために欠かせない要素です。四則演算子や比較演算子、論理演算子を使いこなすことで、プログラムの処理がより効率的になり、柔軟で複雑な取引戦略やインジケーターを作成することが可能になります。プログラミングの初歩として、これらの演算子をしっかりと理解し、実践的に使えるようになることが重要です。

用語集

用語説明
四則演算子加算、減算、乗算、除算の基本的な算術演算を行う演算子。
比較演算子2つの値を比較し、結果としてtrueまたはfalseを返す演算子。
論理演算子複数の条件を組み合わせ、論理的に評価する演算子(AND、OR、NOT)。
インクリメント演算子変数の値を1増加させる演算子(++)。
デクリメント演算子変数の値を1減少させる演算子(--)。
優先順位演算子が評価される順番。四則演算子の場合、掛け算・割り算が加算・減算より優先される。

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